てつとお(ポケモンガオーレ、アニポケ、鉄道)のブログ

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南武線205系1200番台 唯一の生き残り車両とは?【独特の転属事情で残存】


こんにちは!
今回も南武線205系に関する記事を書いていきたいと思います。前回は7か月で引退したナハ17編成に関する記事を書きましたが、今回着目するのはかつて南武線で活躍していた205系1200番台、先頭化改造車です。


205系1200番台

205系1200番台は見た目の通り、かつての中間車両に運転台を取り付けることで先頭車にした、先頭化改造車です。205系の先頭化改造車両は南武支線鶴見線八高線仙石線など様々な路線に導入され、それぞれの路線でそれぞれの番台を名乗っていましたが、南武線に導入された車両たちは1200番台を名乗っていました。1200番台は全部で6編成が導入されましたが、現在は全車両南武線での運転を終了しています。南武線205系は2014~15年ごろに引退しました。その後、多くの車両がインドネシアに譲渡されましたが、1200番台は運転台の違いから、譲渡は行われておらず、2014~15年にかけて引退した車両は全て廃車・解体となっています。(1200番台に組み込まれていた一部0番台の中間車はインドネシアに渡った車両もいますが、1200番台を名乗っている先頭車は全車両解体されています)そんな中、6編成中、1編成のみ、廃車・解体を逃れ、他線で活躍し続けている車両も存在します。今回はそんな1200番台唯一の「生き残り車両」のお話です。


生き残り車両は仙石線で活躍中

まず、結論から書いてしまいますが、1200番台の生き残り車両は現在、3100番台に改造され、仙石線でM19編成として活躍しています。

仙石線のM19編成こそが、元々は南武線で1200番台として活躍していた車両ということになります。
先ほど、私は2014~15年に引退した1200番台は全て廃車・解体されたと書きましたが、それならばなぜ生き残りが存在するの?と思われるかもしれません。実はこの車両が仙石線に転属したのは、南武線205系引退のタイミング(2014~15)ではなく、もっと早期に転属しています。この車両が転属したのは2009年の出来事です。

この当時、南武線で何が起こっていたのかと言うと、車両基地において205系が関係する事故が発生しました。中原電車区内において、205系モハの火災事故が発生したのです。事故に関する詳細は本題とは離れますので記述を避けますが、この事故によりナハ4編成のモハユニット1組(2両)が使用不能になってしまい、205系に車両不足が発生してしまいました。これを補う形で、209系2200番台が京浜東北線から転属してくることになります。この209系が205系ナハ4編成をそのまま置き換える…のかと思いきや、そうはいきませんでした。なんと、置き換えたのは1200番台のナハ48編成だったのです。


南武線205系

ここで一旦、目を仙石線に向けてみたいと思います。仙石線では205系3100番台による103系の置き換えは既に2004年に実施済みでした。しかし、2007年に103系が1編成のみ復活を遂げます。その理由が、多賀城駅付近の連続立体交差化工事に伴う運用数の増加でした。高架化工事を行う際、多賀城駅の留置線路が使えないため、仙石線の運用数が1運用増えることとなりました。しかし、205系の所要数が足りません。そのため、長い間郡山駅に留置されていた103系が復活するという、非常に珍しい状況が起こっていたのです。(この103系は復活に際し、トイレが取り付けられていたり、シングルアームパンタに交換されていたりと面白要素が盛りだくさんの編成です(笑))南武線で事故が起こった当時、205系が足りていないという状況が仙石線で生まれていました。



こういった二つの要素が重なり、209系での置き換えはナハ4編成ではなく、ナハ48編成が選ばれることになりました。ナハ48編成の処遇はこうなります。

205系ナハ48編成のモハユニット2両を抜き取る
       ↓
抜き取った2両を、使用不能となったナハ4編成の2両の代わりに組み込むことで、ナハ4編成を復帰させる
       ↓
余ったナハ48編成4両は同じ顔の205系が所属する仙石線に転属させ、103系を置き換える。

このように、209系1編成を導入することで、南武線仙石線の車両不足を同時に解決してしまうという非常に効率的な転属劇が発生したのです。この際に、仙石線に転属できたナハ48編成が、1200番台の残党としては唯一、現在でも現役で活躍しているということなのですね。
ちなみに元ナハ48編成の4両は現在も仙石線で現役ですが、ナハ4に組み込まれたモハ2両もインドネシアに譲渡され、こちらも現役です。元ナハ48の6両は現在でも全車両が現役と、かなり幸運な車両なのではないかと思います。

このように1200番台の生き残りは現在でも1編成が仙石線で現役です。仙石線でM19編成にあたった場合は、少しそういったことを意識してみると、面白く感じるかもしれませんね。先の長くないと思われる仙石線205系、早めの乗車をおすすめします。
最後までご覧いただきありがとうございました!