てつとお(ポケモンガオーレ、アニポケ、鉄道)のブログ

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【置換発表後の導入】7か月で引退した南武線205系ナハ17編成とは?【唯一の前面顔LED編成】


こんにちは!
今回は南武線205系に関する記事を書いていきたいと思います。
南武線では2015年まで205系が活躍していました。


南武線205系

1989年から南武線で活躍しており、25年以上にわたって南武線で活躍した形式です。そんな南武線205系E233系に置き換えが発表されたのは、2013年夏のことでした。

埼京線横浜線など205系が活躍していた路線に次々と導入が発表され、その最後の路線となった南武線。ついにこちらにも置き換えの波が迫ってくることが分かったのは2013年のことでした。当時、南武線には31編成の205系と4編成の209系、計35編成が活躍しており、E233系がその数と全く同じ本数の35編成が導入されることとなり、全車両を置き換える予定でした。ところが、なんと置き換えが発表されているにも関わらず、翌年の春に、205系が他線から転属してきたのです。その編成がナハ17編成です。


ナハ17編成
今回はなぜ、置き換えられるはずの205系が転属してきたのか、更に転属後はどのような運命をたどったのか、そのことに関する記事を書いていきたいと思います。


なぜナハ17編成が導入されたのか

まずはナハ17編成の導入の経緯から書いていきます。ナハ17編成がデビューしたのは2014年春のダイヤ改正の直前です。つまり、2014年改正で何らかの動きが起こったために、ナハ17編成は転属してきたことになります。2014年改正で起こったことは増発です。当時、朝ラッシュの混雑緩和を目的に立川発着の列車の増発を行いました。このことにより、南武線では必要車両数が1編成増えることになったのです。しかし、現有編成だけでは車両が足りません。どこから何系を持ってきましょうか?E233系の導入はまだ間に合いません。ここで目をつけられたのが、当時横浜線を引退していた205系です。


横浜線205系
横浜線ではE233系が2014年1月からデビューしており、それに伴い、205系の廃車・譲渡が発生していました。ここで余った205系を活用することになります。南武線では205系が活躍しているので、訓練等も必要なくすぐに運行することが出来ます。こういったメリットがあり、横浜線で余剰となった205系8両1編成のうち、2両を抜いて、6両編成に組みなおし、南武線の増発用に充てる、こういった動きが発生しました。転属編成に選ばれたのは、H26編成です。晴れてH26編成は南武線で再就職を果たしたのです。南武線ではナハ17編成を名乗ることになりました。
ナハ17は見た目で注目を集めました。というのも、南武線205系原型顔の編成では唯一LEDを搭載した編成だったのです。横浜線所属の205系は全編成前面行先表示器が3色LEDに換装されており、H26編成はLEDのまま転属しました。しかし、南武線205系原型顔の編成にはLEDを搭載した車両というのは存在しなかったのですね。そのため、南武線原型顔の編成の中で、唯一3色LEDを搭載した珍しい存在だったのです。



見た目の稀有さや転属の面白さから、人気の編成となっていったナハ17編成ですが、活躍は長く続きませんでした。E233系の導入により、この編成ももれなく置き換え対象となってしまったのです。
南武線E233系は2014年10月4日から運行開始しましたが、ナハ17編成が離脱したのは10月29日と、かなり早期の離脱となっています。3月のデビュー、10月引退なので、運用期間はおよそ7か月ということになりますね。あまりにも短命な南武線205系はこのようにして生まれたというわけです。その後、2015年1月末に長野へ廃車回送が行われ、ナハ17編成はインドネシアに行くことなく、そのまま解体されてしまいました。
ちなみに、2014年春以降、南武線の所要数が36編成になったものの、ナハ17の転属は突発的な物であったということで、E233系は元の計画通り35編成しか用意できませんでした。それでは残りの1編成分はどうなったのかというと、209系を1編成残留させ続けました。ここで生まれたのがかの有名なナハ53編成残留劇ということです。205系/209系の引退後も、2017年まで209系ナハ53編成1編成だけが残存し続けました。そして、2017年春に元々は豊田所属であった青670編成がナハN36編成として南武線に転属し、現在に至ります。中央線から転属した異端児として有名なN36編成は、実は大元をたどればナハ17編成が関係しているということになります。2014年増発枠は現在でも異端児が担っているというわけですね(笑)

このようにわずか7か月ほどで南武線を撤退してしまったナハ17編成、この編成こそ珍しい編成だったと思います。南武線には約1年半で武蔵野線へ転属してしまったナハ45編成という前例がありましたが、それよりも短命でしたからね。まさしく、廃車前最後の務めを全うした編成だったと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!