てつとお(ポケモンガオーレ、アニポケ、鉄道)のブログ

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少数派異端車はなぜ生まれてしまうのか?路線ごとに様々な事情が…【ケヨ34,ナハN36,5320F,トタ81/82など】


こんにちは!
今回はタイトルにもある通り、少数派の異端車についての記事を書いてきたいと思います。少数派異端車とはその名の通り、その路線で活躍している車両の中で、1~2編成しか活躍していない車両と定義したいと思います。例えば、都営5300形の5320F。現在はほとんどが5500形の中、1編成のみ5300形が都営浅草線で活躍しています。そのほかにも、京葉線の209系ケヨ34編成や、中央線の209系トタ81/82編成、南武線E233系8500番台N36編成なども挙げられると思います。それではどうしてこのような少数派の車両が生まれてしまうのか、深堀していきたいと思います。

大半が改造予備or計画変更

このような少数派が生まれてしまう主な理由は、ほとんどが改造予備、もしくは計画変更の場合が多いです。まずは改造予備について書いていきます。
改造予備で少数派が生まれてしまうというのは、多数派の車両などに何らかの改造などを行わなければならない際、車両不足を解消するため、期間限定で少数派の車両を走らせる必要が生じることを言います。上記に挙げた車両だと、都営5300形5320Fと中央線209系トタ81/82が改造予備として活躍している車両です。
まず、都営5300形5320Fは5500形にSR無線を取り付ける際の予備車として活躍しています。5300形は5500形が登場するまでの浅草線の主力車両でしたが、5500形が導入されたことにより、徐々に姿を消していきました。現在では、5500形は全車両導入が完了しているため、5300形は全車両引退しているはずなのですが、5320Fのみは生き残っています。その理由が5500形のSR無線取り付けの際の予備車というわけですね。浅草線の異端車が発生する理由はこのような理由があります。

↑5320F



続いて、中央線の209系はE233系グリーン車を組み込む際の改造の予備車として存在しています。こちらは2019年にわざわざ常磐線から転属しています。
このように改造予備車はその路線に導入される予定の新しい設備を既存車に取り付ける際の予備車として存在するケースが多くなっています。しかし、改造予備の異端車は改造が完了するまでの期限付きでの活躍となっているため、改造が終わるなど役割を果たした段階でその路線から撤退する場合が多いです。このような異端車はあくまでも期間限定の活躍といえます。

↑209系トタ81編成

過去には埼京線205系ハエ28編成がE233系へのATACS改造の予備車として2年以上も活躍をするなど、予備車としての異端車はその時々によってさまざまな路線で生まれます。現在、関東では浅草線と中央線がその路線に当てはまることになります。

続いては計画変更で異端車は生まれるケースをご紹介しましょう。上記の車両のうち、京葉線209系ケヨ34編成と南武線E233系8500番台ナハN36編成が当てはまります。
まず、ケヨ34編成に関しては、E233系がなぜか1編成少なく製造されたため、残留してきます。もともとE233系は25編成導入予定でしたが、実際に導入されたのは24編成でした。それは何故なのかというと、E331系という2006年にデビューをした車両が関係していると言われています。E233系の導入前からE331系京葉線に在籍していましたが、その後、2010年に京葉線E233系が導入されることになった際、当時京葉線に在籍していた201系、205系、209系は全て置き換えられる予定でした。しかし、E331系は置き換えの対象外とされたため、24編成のみの導入に留まったのではないかと言われています。しかし、E233系の導入後、E331系は故障により営業運転に就くことが難しくなり、代わりに209系ケヨ34編成が1編成のみ残留することになりました。その後、E331系は廃車されてしまい、ケヨ34編成は今日まで置き換えられることなく活躍していると言われています。ほかの説もありますが、一番有力なのはE331系の説なのではないかと思います。

↑ケヨ34編成



南武線E233系8500番台N36編成に関しても計画変更で在籍しています。そもそも、南武線の多数派のE233系8000番台と8500番台の違いは転属車か否かです。8000番台は南武線向けに新造されたのに対し、8500番台は中央線からの転属車両となります。8500番台は1編成のみです。8500番台が誕生した理由は南武線の運用増に影響します。南武線は2013年にE233系が導入されることが発表されました。導入開始は2014年10月からで、35編成が導入されることになっていました。しかし、2014年春のダイヤ改正南武線の運用が増加し、それに伴い横浜線から205系ナハ17編成が転属してきて、南武線の在籍数が36編成になってしまいました。しかし、発注済みのE233系は35編成のため、1編成足りません。そこで、南武線では当時活躍していた209系ナハ53編成1編成を置き換えず、南武線に残留させ、編成数を補っていました。E233系35編成、209系1編成、計36編成体制です。しかし、209系も置き換えることが決まり、その置き換えのためにやってきたのがE233系8500番台ナハN36編成というわけです、E233系の発注直後の運用増加により生まれた車両が8500番台というわけですね。

↑N36編成

このように計画変更により異端車が生まれる場合もあります。計画変更の場合は、改造予備とことなり、期間限定ではなく長くその路線で活躍する傾向にあります、ケヨ34編成ももう10年以上1編成のみで京葉線で活躍しています。

このように異端車が生まれてしまう理由には様々な事情があることがお分かりでしょう。異端車が生まれてしまう原因まで探ると、その路線の計画や歴史などが見えて面白いと思います。過去には仙石線103系常磐快速線103系、中央線の201系など、置き換えが進んだにも関わらず、わずかな編成のみ当初の活躍予定時期より長生きした車両もあります。こういった車両たちについて調べてみるもの楽しいと思いますよ。
最後までご覧いただきありがとうございました!