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【電連付き】E231系にも存在する武蔵野線の異端児、MU22編成とは?


こんにちは!
前回は武蔵野線205系の異端編成、M32編成に関する記事をご紹介しました。武蔵野線の異端編成はM32編成だけではなく、かなり多いですので、またいずれ珍しい205系の紹介記事を書きたいと思いますが、今回は現役の武蔵野線E231系の異端児をご紹介したいと思います。その編成はMU22編成です。


MU22編成
この編成は武蔵野線E231系の中でも最後から2番目に登場した編成で、E231系転属劇の中では比較的最後に動きのあった編成でした。そんなMU22編成は外見に特徴があります。その特徴というのが、前面の連結器に電気連結器が付いているということですね。


MU22編成の電気連結器



MU22編成の1号車にのみ電気連結器が搭載されています。ちなみに電気連結器というのは、日常的に営業運転で増解結を繰り返す列車が搭載していることの多い、少し特殊な連結器のことです。通常は連結器のみが付いていますが、電気連結器は連結器の下側に箱状のものがついています。この設備があることによって、連結している車両同士で、放送や加減速の指令を伝えることが出来、連結した状態での営業運転が行いやすくなります。例えば、日常的に連結作業が行われる湘南色E231系E233系なども搭載しており、日々このシステムが使われています。しかし、武蔵野線で連結する運用というのは存在しないはずですので、武蔵野線の車両には必要ない装置のはずです。実際にMU22編成以外に取り付けられている編成と言うのは存在しません。それなのになぜMU22編成には電気連結器が搭載されているのでしょうか。その理由はこの編成の武蔵野線転属前の所属先にあります。

2018年以降に導入された、205系を置き換えるための武蔵野線E231系や209系は、ほぼ全編成が中央・総武緩行線から転属しました。しかし、1編成のみは他路線から転属してきています。その編成こそが、MU22編成です。実はMU22編成のみ常磐快速線から転属してきているのです。205系の置き換えに際し、205系の42編成を置き換えることと、増発分1編成の合計43編成が必要だったのですが、総武線から余剰となったE231系209系500番台武蔵野線に回すことが出来る編成は41編成しか準備できませんでした。そこで白羽の矢が立ったのが、常磐線で活躍していたマト118編成でした。足りない分の編成を余剰気味であった常磐線から引っ張ってくることによって補ったのですね。こういった理由で、マト118編成は武蔵野線へ転属し、MU22編成となりました。一方、足りないもう一編成分は予備車の削減で対応しており、205系42編成プラス増発1編成分を総武線からの転属車41編成と、常磐線からの転属車1編成、計42編成で置き換えたのです。Mu22編成に電連が付いているのはまさしくこれが理由。元は常磐線車両だったからです。常磐線では15両運転を行うため、電連を備えておく必要がありました。そのため、常磐線所属のE231系には全編成が電連を取り付けているのですね。常磐線で活躍していたころに使っていた電連を取り外すことも無くそのまま持ってきたために、MU22編成のみ電連がついていると、そういったことになります。まさしく1編成のみ転属元が違う異端車と言う事になりますね。



このMu22編成、転属前最後の配置は常磐線と紹介しましたが、実は常磐線の前には総武線で活躍履歴もあります。Mu22編成の新製配置は他のE231系などと同じ三鷹です。三鷹時代にはB20編成を名乗っていました。そんなB20編成には2015年に転機が訪れます。常磐線への転属です。なぜ2015年に常磐線に転属したのかと言えば、春のダイヤ改正で起こった上野東京ラインの開業が関係します。上野東京ライン常磐線も直通することとなっており、その影響で、常磐線E231系には品川までの延伸分、追加の編成が必要となりました。常磐線の車両を増やさなければならない…そんなときにちょうど総武線にはE231系500番台が転属してきていました。E231系500番台が本格的に山手線から総武線に転属したのは2017年ごろからですが、実は2014年にE235系量産先行車の誕生に伴って、E231系500番台が1編成山手線から転属してきていました。この編成により0番台に余剰が発生したため、予備車削減も兼ねてB20編成とB21編成の2編成を常磐線に転属させることで上野東京ライン開業による増加分を補填したのです。6ドアの関係上、他の編成と組み換えを行いながらも、この2編成は常磐線に転属し、それぞれ元B20がマト118、元B21がマト119となりました。このようにして、総武線から上野東京ラインの開業のために常磐線に転属したマト118を、今度は2020年に武蔵野線へ持ってきているため、常磐線から転属してきていながらも、総武線での活躍歴もあるという面白い経歴の持ち主なのですね。MU22編成は総武線常磐線武蔵野線と特殊な経歴を持った上に、電連まで設置しているというかなり異端な編成です。
ちなみに同時に転属したマト119編成は今でも常磐線に残って活躍しています。

このような点がMU22編成が異端児と呼ばれるわけですね。205系ほどひっちゃかめっちゃかな編成はいなくても、個性的な編成と言うのは他にも結構いるものです。E231系の個性的な車両紹介も、Mu22編成に限らずしていけたらと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!