てつとお(ポケモンガオーレ、アニポケ、鉄道)のブログ

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主に鉄道記事、アニメ感想を書いています。

計画よりも大幅に延命された東急8500系 リーマンショックの置き土産


こんにちは!
今回は東急8500系に関する話題です。
先日、最後の8500系であった8637Fの廃車回送が行われ、8637Fの廃車をもって、東急電鉄から8500系は姿を消すこととなりました。1975年のデビューから48年間、非常に長い歴史となりました。残るはKAI(ジャカルタ)に12両編成×3編成(+2両)、長野電鉄に3両編成×6編成、秩父鉄道に3両編成×2編成、伊豆急行で1両が活躍しています。


8500系
そんな東急8500系ですが、実は2020年代まで残る予定ではなく、当初は東急5000系に置き換えられる予定だったのです。当初、東急は田園都市線に5000系を2009年度までに35編成導入予定であり、その車両たちで8500系を置き換える予定でした。そういった計画は2000年代に存在したもので、それよりももっと以前の計画では別の案がありました。その案は機器更新によって長く活用する案です。東急8500系はステンレス製の丈夫な車両なので、機器更新などを行い2020年代ごろまで活躍させる計画であり、実際にVVVF改造の試験が行われた編成も存在していました。(8642F) しかし、改造費が高いことなどから、その計画は中止となり、更新を行わない代わりに、2000年代から徐々に新型車両を導入し、置き換える計画に変更され、実際に東急5000系が誕生しました。そもそもが当初の予定とは異なる計画となったわけですが、その計画でさえも中止となり、東急5000系の製造は途中で打ち切られることとなります。その理由がリーマン・ショックです。



リーマン・ブラザーズの経営破綻に伴い発生した金融危機ですが、日本への影響も大きかったことはご存じの通りかと思います。東急電鉄JALの破綻などが関係し、リーマン・ショックの影響を大いに受け、経営が傾きます。更にその時期に重なるように、東急東横線では5社直通運転が始まる予定であったことにより、こちらの対策で8000,8590,9000系を置き換えるための、新型車両を導入しなければならなくなります。こういった様々な要因が重なったことにより、東急5000系の田園都市線導入は途中で中止に。8500系は24編成が2010年代後半まで使用が継続されることとなったのです。そして、2018年には東急2020系の導入が発表され、残る24編成の置き換えが行われることとなります。
当初計画では機器更新が行われることによって大幅な延命が図られるはずであった8500系。しかし、様々な要因が重なることによって機器未更新のまま2023年まで活躍することとなりました。これは何かの縁なのでしょうか。仮に東急8500系が2010年代前半までに置き換えられていた場合、地方私鉄への譲渡などはどのような動きになっていたのでしょうね。もしかすると、ジャカルタに大量に輸出され、現在も多くの編成がジャカルタで活躍していたのかもしれませんし、秩父鉄道はもっと多くの編成が導入されてたかもしれません。リーマンショックの影響がつい先日まで鉄道に色濃くのこっていたと考えると面白いものですね。
今回は東急8500系の置き換え計画に関する記事でした。
最後までご覧いただきありがとうございました!