てつとお(ポケモンガオーレ、アニポケ、鉄道)のブログ

てつとおのブログ

主に鉄道記事、アニメ感想を書いています。

【顔を奪われた!】生き残ったのに顔を取られたかわいそうな元209系とは


こんにちは!
今回はJR東日本の209系に関する記事を書いていきたいと思います。
JR東日本の209系は様々な場所でまだまだ現役で活躍していますが、中には第一線を退き、車籍も有さず、訓練「機械」として各所で使われている訓練用の元209系(車籍を有さないので元を付けています)というのも存在します。今回はそんな訓練用の元209系のお話です。
今回の主人公は大宮総合車両センターで訓練用として使われている、元クハ209‐7です。



元クハ209‐7
この209系は元々京浜東北線でウラ7編成として活躍していた車両です。京浜東北線での引退後、しばらく疎開された後に、2009年末~2010年初頭辺りに除籍され、その後大宮総合車両センターで訓練用の機械として使用されています。訓練用ということで、何らかの使命を与えられ、訓練用に転身したわけですが、この車両に与えられた使命というのが、「脱線復旧訓練用」。要するに脱線した場合の復旧の訓練に使われているということですね。つい1年ほど前にも新幹線で脱線事故が発生していますが、おそらくこちらでの訓練が生かされているのではないかなと思います。この車体が留置されているのは、大宮総合車両センターでもかなり宮原方の端の方の線路です。この線路はかつて大宮総合車両センターが解体業務を行っていたころには解体線として使われていた場所に留置されています。大宮駅から歩いていくと外からも見えますが、かなり遠い場所に留置されています。



そんな元クハ209‐7、廃車後車体がそのまま訓練用として使われていましたが、訓練用に転身しておよそ9年経った頃、この車両に転機が訪れます。というのが、なんと顔がもぎ取られてしまったのです。209系は前面部分がFRPという素材で作られており、車体と顔を取り外すことが出来ます。そういった209系の特徴もあり、なんと顔が取り外されてしまったのですね。しかし、なんの目的もなく取り外すこともしません。もちろん目的があった上で取り外されたわけですが、どんな目的があったのでしょう?その目的とは他の車両の修理です。その車両と言うのが、209系2100番台C612編成のクハ208-2112ですね。


C612編成
C612編成は2021年3月まで房総地区で活躍していた車両です。現在は既に廃車・解体されており、この世の中に現存しません。そんなC612編成ですが、かなり大きな事故を何度か起こしています。その事故のうちの一つ、2019年8月6日に発生したトラックとの衝突事故で前面部が大幅に破損しました。
doro-chiba.org
こちらの千葉動労のサイトに破損した様子の写真が載っています。かなりの破損状態ですね。このような状態のまま、2019年8月23日にC612編成は大宮総合車両センターに入場しました。その入場と同じ時にクハ209‐7の前面が外され、C612編成は前面が綺麗に修復され、復帰しています。このような動きから、クハ209‐7の前面が転用されたと分かるわけですね。
このようにクハ209‐7はC612編成の救世主となるべく、顔を犠牲にしたわけですが、肝心のC612編成はその後2年も経たず、2021年5月には廃車となり、クハ209‐7の顔も含めて解体されてしまいました。クハ209‐7の顔は事故さえなければ残っていたはずなのに、C612に使われたがために既に存在しないのですね。なんだか不憫だなと思うところです…(笑)
結局、前面を再び取り付ける様子もなく、現在まで前面が取り外された状態で留置されています。
今回は顔をもぎ取られた可哀そうな元209系のお話でした。
最後までご覧いただきありがとうございました!