てつとお(ポケモンガオーレ、アニポケ、鉄道)のブログ

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211系高崎車はなぜ新車が導入されていないのに廃車が出るのかを考える【余剰他路線との違いは?】


こんにちは!
今回は高崎の211系に関する記事を書いていきたいと思います。
昨日、高崎車両センター所属の211系3000番台A10編成の廃車回送が行われました。


廃車回送の様子

211系高崎車の廃車は昨年から少しずつ進んでおり、今回で3編成目となります。そんな高崎地区ですが、211系を置き換える新型車両が導入されているのかと言えば、そうではありません。ただ単に車両数の削減となっています。今回はなぜ211系の高崎車に廃車が発生するのか、そのことを考えていきたいと思います。

運用減による余剰車両

タイトルの答えを書いてしまうならば、運用減による余剰車両ということになります。高崎ローカルの211系のうち、4連の運用については、2022年3月改正及び2023年3月改正で2年連続でそれぞれ1運用ずつ運用が減らされています。ここで浮いた車両を廃車にしているということになります。しかし、首都圏の他路線では減便は行われているものの、それに伴う余剰廃車や転属が発生している路線というのはほとんど存在しません。唯一、2022年改正で運用数の減らされた651系OM202編成が余剰廃車になっていましたが、高崎を除くと、651系のみしか余剰廃車は発生していません。一見JR東日本は余剰廃車に積極的ではないように見える中、なぜ高崎では余剰廃車が積極的に行われるのでしょうか。考えられる理由としては以下の点があげられると思います。
①部品取り
②新保全体系ではない車両のため

大きくこの二つが影響しているのではないでしょうか。一つずつ考えていきます。



まずは①の部品取り。これは分かると思います。古い車両のため、部品取りを行う事で、余剰部品をストックしているということですね。実際にこのような動きはあり、先に廃車となった2編成分の211系について明らかにほかの形式よりも丁寧に部品取りが行われていることが、ツイッターに上がっている情報などから分かります。ライトカバーや前面の貫通扉などまで撤去されている姿が目撃されているのですね。もちろんその他、外見ではわからない機器類の撤去も行ったうえで解体しているのでしょう。これまで廃車になった車両については、本当に車体の箱のみ解体しているような、そんな状態での解体になっています。さらに2022年にJR東海で211系0番台2編成が廃車になった際、JR東海の解体場である西浜松において、JR東日本の長野総合車両センターの車が目撃されています。このことから、おそらく211系0番台の部品譲渡を行ったのではないかと言われています。(確定情報ではありません)このように部品を温存することによって、まだ置き換え開始まで少なくとも数年ほどかかるとみられる211系の高崎や長野の現役編成を走らせるための部品をストックしておく狙いがあるのではないかということですね。必要のない編成を無駄に泳がせるよりは、廃車・解体することで、部品を温存することを優先し、少しでも現役編成の部品を確保する狙いがあるのではないかと見れるということです。まず、古い車両故の部品取り目的、これが挙げられるのではないかと思います。


回送表示は幕式の表示器を模した紙が貼られていました。

続いて②の新保全体系ではないという点。これはどういう意味でしょうか。まずは新保全体系に関して簡単に説明しますと、209系などJR以降に設計・製造・改造された車両に適用される新たな検査体系のことです。この検査体系では従来の検査体系とは異なり、走行距離に基づく検査基準が設けられています。一方、この検査体系に含まれない車両については、これまで通り前回検査からの年月で検査基準が設けられています。この新保全体系に含まれない故、余剰車両を温存しておくメリットがないというのも廃車が発生している理由と思われます。例えば、新保全体系の車両の場合、余剰車両が発生したとしても、余剰編成をそのままにしておくことによって、1編成当たりの運用への充当回数を減らし、次回検査までの期間を延ばすということが可能になるのです。こうすることで、所有数は無駄になるかもしれませんが、1編成当たりの走行距離を短くすることができ、検査回数を節約することができるかもしれません。しかし、新保全体系に含まれない211系の場合、こういった検査を延ばす施策が取れないのです。(なお休車措置を取れば検査期限を伸ばせます。)どれだけ走行距離を減らしたとしても、休車を行わない限りは、必ず4年に一回は要検を受けなければなりませんし、8年に一回は全検を受けなければなりません。新保全体系のように運用への充当を減らすことだけでは検査回数を浮かすこともできないので、余分に配置しておくメリットが一切にないのですね。これが首都圏の他路線で余剰車両の廃車・転属が発生しないにも関わらず、211系には廃車が発生している一つの要因として考えられるのではないかと思われます。

その他にも事情はあるでしょうし、様々な事情があり、211系に廃車が発生しているのでしょう。しかし、さすがにこのダイヤにおいて、これ以上の廃車が発生することはないのではないかと思います。いったん、高崎地区の211系の廃車はストップするのではないかと見ているのですが、どうなるでしょうか。今後に注目です。
最後までご覧いただきありがとうございました!