てつとお(ポケモンガオーレ、アニポケ、鉄道)のブログ

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機器更新後、わずか4年で引退した東京メトロの車両とは【勿体ない?】


こんにちは!
今回も機器更新後短命で引退した車両について、扱っていきたいと思います。
前回、JR東日本の209系2200番台について、機器更新後約5年で廃車となってしまった車両をご紹介しました。あの車両はJR東日本の中だけで考えると、機器更新後最も早く廃車となった編成でしたが、実は東京メトロには機器更新後もっと短命で引退してしまった車両が存在します。その車両は機器更新後約4年で廃車となってます。今回はその車両をご紹介したいと思います。

短命だった機器更新03系

その車両とは03系です。


03系

03系とは2020年まで日比谷線で活躍していた車両で、全42編成が製造されました。多くの03系が機器更新を受けずに廃車となっていますが、42編成中、03‐101F~03‐108F、03‐135F、03‐136Fの合計10編成のみに機器更新工事が施工されました。この車両たちは全ての編成が機器更新後10年も経たずに廃車となっており、全編成機器更新後、早いうちに廃車になっています。その中でも特に早く、機器更新後わずか4年で廃車となってしまった編成が03‐135Fです。
03系の機器更新工事自体は2012年から始まっており、まず2013年までに03‐108Fまでの更新を完了させています。これらの編成はいずれもチョッパ制御の車両で、製造が古い順から8編成に更新工事が行われました。その後、2014年に03‐136Fの、2015年に03‐135Fの機器更新が行われました。これらの編成は元からVVVFの車両となっており、VVVFの編成で機器更新が行われたのはこの2編成のみです。実は135Fと136Fの更新が行われた2014年~2015年は形式名こそ発表されていなかったものの、日比谷線に新型車両を導入することは既に発表されており、(2014年4月に発表)置き換えが判明してからの更新となっていました。この辺りに関しても、非常にレアケースな更新だったのではないかと思います。
その後、2017年からの13000系導入による03系置き換えは機器更新が施工済みの10編成に関しても対象となりました。一応、置き換えに際し、VVVF更新車は後期の置き換えとはなっていましたが、未更新の編成とほぼ変わらないうちに廃車となっています。一番最後に更新が行われた135Fは、更新された編成の中では一番最初の廃車となっており、そのあたりもこの編成がわずか4年で廃車となってしまった原因に繋がっています。



上記のことを考えると、すべての編成が更新後、比較的早いうちに廃車となっている03系のVVVF更新は非常に無計画で無駄なことに思えて来るかもしれません。しかし、東京メトロは、おそらく、03系機器更新車についても更新段階から新型車両で置き換える可能性があることを念頭に置いたうえでこの機器更新を行っており、決して無計画に更新を進めていたわけではないと思われます。それが分かるのは、03系は床下機器は行ったものの、車内更新をほとんど行っていないことですね。通常、東京メトロは機器更新と同時に車内更新も行います。この更新のことをB修繕と呼びますが、03系に関してだけはなぜか車内更新はほぼ行っておらず、メトロの修繕車両としては非常に中途半端な更新になっています。一応、フリースペース設置や、ドアチャイムの変更など細かな変更は行われていますが、それでも本来のB修よりもかなり簡易的な更新にとどまっています。このことから考えてもあくまでも03系の更新は、チョッパ制御や更新前のVVVF制御の予備品確保が目的であり、車両を延命させるための機器更新ではなかったと、そういった意図が詠み取れるのではないかと思います。仮に延命を計画していたとするならば、車内にも手を付けているはずでしょう。敢えて本来のB修よりも簡易的な更新となり、床下機器の更新のみを行い、車内にはほとんど手を付けていないことから、もっぱら予備品確保が目的であったのだろうと、そう感じます。
このVVVFは03系の廃車により完全に無駄になったのかと言われれば、そうとも限らず、長野電鉄に譲渡された03系は機器更新の際に積んだVVVFをそのまま使っています。すべてのVVVFが再利用されているわけではないですが、地方私鉄で現存することを考えると、一部編成だけでも機器更新が行われたのはよかったのではないかと思います。

今回は機器更新からわずか4年で廃車になってしまった03系をご紹介しました、ちなみに、03‐135Fは廃車にはなっているものの、いまだに先頭車両の2両が保管されています。おそらく譲渡前提の留置だと思われます。今後、どこかへ譲渡される可能性があるのかについても注目ですね。(肝心の機器更新されたVVVFを積んだ中間車は全て解体されていますが…(笑))
最後までご覧いただきありがとうございました!