てつとお(ポケモンガオーレ、アニポケ、鉄道)のブログ

てつとおのブログ

主に鉄道記事、アニメ感想を書いています。

【57歳】東武8000系8506F、お客を乗せない電車のお仕事とは


こんにちは!
今回は東武鉄道8000系の話題です。
以前、定期運用についていない8000系として東武博物館の8111Fについてご紹介しましたが、実は定期運用についていない8000系はもう1編成存在するんです。今回は、もう一編成の定期運用についていない車両のご紹介です。
今回紹介するのは、8506Fです!




この写真の車両が8506Fです。見た目は普通の更新顔の8000系と何も変わらないでしょう。しかし、この車両がお客さんを乗せることはありません。多くの車両がお客さんを乗せることを使命としている中、この車両は全く別の使命を持っているのです。
まずは、その使命を紹介する前に簡単にこの車両の経歴から書いていきたいと思います。
この車両も、もともとは客を乗せる普通の8000系でした。2015年1月17日まで、この車両は東上線の池袋口で活躍していました。東上線池袋口で最後の8000系として、ラストランツアーの列車の担当となり、東上線8000系のフィナーレを飾った車両です。この時を最後に、この車両は営業運転に就いていません。その後、同月中にこの車両は南栗橋に転属となります。更に、2020年には新栃木に転属となり、現在では、20400型や6050系などが所属する新栃木に所属しています。
そんな、8506Fですが、なぜ東上線を引退して、営業運転で使わないにも関わらず、南栗橋に転属したのでしょうか。その理由は…営業用の8000系が検査を受ける際に、連結して一緒に工場に向かうためです。
もう少し、詳しく書いていきましょう。東武東上線の池袋口の8000系が引退したと書きましたが、実は現在でも、東上線の小川町~寄居間で8000系は活躍しています。この車両たち、普段はこの区間から抜け出すことはないのですが、約4年に一回、検査の時だけ、この区間を抜け出し、南栗橋まで検査を受けに走ります。寄居~南栗橋間を走るわけですが、この区間、全区間東武鉄道区間なのではなく、途中に秩父鉄道を通らなければ、南栗橋に向かうことが出来ないのですね。そのため、秩父鉄道を経由して、南栗橋に向かうのですが、東上線の8000系は実は保安装置の関係上、秩父鉄道を走ることが出来ないんです。この車両たちが秩父鉄道を走るには、他に秩父鉄道用の保安装置を搭載した車両を連結して一緒に走らなければなりません。そこで8506Fの出番です!そう、8506Fには秩父鉄道の保安装置が付いているのです!そのことが評価され、秩父鉄道の保安装置を積んでいる車両として、積んでいない車両が秩父鉄道を走る際に、連結して一緒に走るというサポート役に選ばれ、延命することとなったのが、この8506Fであるというわけです。




この写真、後ろの方の車両の色が違うことがお分かりいただけると思いますが、この後ろの車両が東上線で活躍している8000系です。このように、検査時には連結をして、一緒に南栗橋~寄居間を走行します。
この車両がいないと、東上線の車両は検査を受けることが出来ず、営業運転に就くことが出来ません。東上線で8000系が活躍するのを支えるまさしく縁の下の力持ちの存在です。そして、一般の人にはほとんどその存在を知られない、内緒のお仕事をしている、そんな車両になります。こういったお客さんを乗ること以外の仕事をしている車両のことを事業用車と言います。

この車両ですが、この仕事以外にほとんど仕事はなく、検査が無いときはいつも新栃木で休んでいます。この仕事のためだけに在籍しているわけですが、8111Fを除く、東武鉄道所属の車両としては最古参の57歳です。おそらく、東上線の8000系が引退するまでは、この車両も引退することはないでしょう。活躍の機会は少ないですが、これからも頑張って活躍してほしいものですね。
最後までご覧いただきありがとうございました!